当院の小児歯科について
小児歯科とは?
小児歯科は、成長期の子供達の口腔衛生を守るための虫歯予防・治療を専門とする診療科です。対象年齢に厳密な制限はありませんが、通常は新生児から15歳前後の子供達を診ています。また、治療に留まらず、ブラッシング指導や定期的な検診を通じて、お子さま達の口内環境全体をケアします。
また、成長・発達に考慮した虫歯・歯周病(歯茎の炎症)の予防、歯の矯正治療も行い、健康な歯を育てるサポートをしています。
小児歯科と一般歯科の違い
小児歯科は、毎日成長するお子さま達の顎・歯の変化に対応しながら、将来的な問題を予防し、健康的に成長できるよう支援していく診療科です。
当院の小児歯科の特徴
まずは歯科医院に慣れることから
初診のお子さまは、基本的に緊急時以外はすぐに治療には入りません。まずはお子さまとコミュニケーションをとり、ドクターやスタッフと仲良くなってもらうことを目指します。そして診療台に座ってみたり、器具を触ってみたりして、歯科医院の雰囲気に慣れてもらいます。
小児歯科メニュー
ブラッシング指導
歯科衛生士が、むし歯予防に効果的な歯ブラシの握り方や動かし方について、お子さまにもわかりやすく指導していきます。また、保護者の方にも仕上げみがきのアドバイスをいたします。親子で正しい歯みがきについて学び、お子さまのむし歯を予防しましょう。
フッ素塗布
定期的なフッ素塗布はむし歯予防に有効です。特にフッ素は、乳歯や生えたての永久歯に効果が高い成分です。フッ素は市販の歯みがき剤にも含まれていますが、歯科医院で使用しているものはそれよりも高濃度なので、より効果が期待できます。
シーラント
シーラントとは、汚れが溜まりがちな奥歯の溝を浅くしてむし歯を予防する方法です。奥歯の咬み合わせ部分は溝が深く、歯ブラシでは磨きにくいところです。その溝を特殊なプラスチック樹脂を使って浅くすることで汚れが溜まりずらく、むし歯になりにくくします。
むし歯から子供を守るために必要なこと
生まれたての赤ちゃんのお口の中にはむし歯菌は存在しませんが、ご家族が食べ物を口移ししたり、スプーンやお箸、食器を共有したり、キスをすることで唾液から感染してしまいます。
そうした事態を防ぐためには、赤ちゃんが生まれてくる前にご家族全員が歯科検診を受けてお口の環境を整え、できる限りむし歯菌を減らしておきましょう。また、離乳食が始まったら赤ちゃん専用の食器やスプーンを用意し、大人と共有することは避けてください。
お子さまの歯(乳歯)は、永久歯に比べて歯の表面にある硬いエナメル質が薄いため、酸に溶けやすくむし歯になりやすいという特徴があります。そこで「そのうち生え替わるから」と乳歯のむし歯を放置してしまうのはNGです。乳歯のむし歯は、お子さまの咀嚼力や食欲、骨格や発音、顔の輪郭やこれから生えてくる永久歯など多くの部分に影響を与えるといわれています。お子さまのお口の健康を真剣に考えるならば、乳歯の段階からホームケアと歯科検診を欠かさず、しっかりとむし歯予防をしていくことが大切です。
お子さまの歯をむし歯から守るためには以下に取り組んでください。
おやつや食事は時間を決めて与える
毎日のおやつや食事は、きちんと時間を決めて食べましょう。だらだらと食べていると、お口の中に酸が発生している状態=むし歯になりやすい状態が長時間続き、むし歯になりやすくなってしまいます。
糖分の多いおやつは控えめに
糖分の多い甘いおやつは、むし歯菌の大好物です。甘いおやつは控えめにし、おせんべいなどの甘みの少ないお菓子を選びましょう。食後に歯の再石灰化を促すキシリトール入りのガムやキャンディーなどを食べるのもおすすめです。
食べたら歯を磨く、口をゆすぐ
食後の歯みがきはむし歯予防の基本です。難しい場合は口をゆすぐだけでもむし歯予防につながります。
特に就寝前の歯みがきは重点的に行ってください。まだ自分で歯みがきができない年齢のお子さまには、楽しい雰囲気を作って歯みがきを楽しい習慣だと認識させながら、保護者の方が丁寧に磨いてあげましょう。
そして徐々にお子さま自身で歯みがきができるように促していくことも大切です。お子さまが一人でしっかり歯みがきできるようになるのは8~9歳頃なので、それまでは保護者の方の仕上げみがきを忘れずに行います。
当院では、歯みがきや仕上げみがきについての指導を行っております。正しいブラッシング方法がわからない、お子さまが歯みがきを嫌がるなどのお悩みがある方はいつでもお気軽にご相談ください。
子供の歯並び・嚙み合わせの重要性
歯並びと顎骨の発育・呼吸面の関係
近年、食生活の欧米化が進んだことから、お子さまの顎の発育に影響がみられ、顎骨が小さかったり、位置がズレているお子さまが増えています。上顎が小さかったり、ズレている場合、鼻の中の空気の通り道(鼻腔)を狭めてしまうため、呼吸がしにくくなります。一方、下顎が小さかったり、ズレている場合、歯の生えるスペースが確保できなくなり、歯並びが乱れてしまいます。同時に、舌が喉側へと押しやられ、気道が狭くなることもあります。すると、発育や体質、情緒に悪影響を及ぼす口呼吸をするようになってしまいます。
このように、顎の発育や歯並び、噛み合わせと呼吸は大きな関係があるのです。矯正治療をすることで、呼吸機能の改善が期待でき、アレルギー、喘息、鼻炎、多動的傾向(集中力不足)を治すことにもつながります。
不十分な呼吸が引き起こす悪影響
顎の発育と呼吸は、身体のさまざまな部分と密接なつながりがあります。人間の脳は就寝中に酸素の供給を受けますが、十分に行き届かないと脳の発育がうまくいかず、学力低下の恐れがあります。また、口呼吸をしていると姿勢が悪くなる傾向にあり、情緒面や免疫力に支障が出ることもあります。さらには鼻炎やアレルギー、中耳炎を発症することも。
正しい呼吸で酸素の供給が十分に行われるためには、適切な顎の発育や位置取りが重要です。十分に酸素を取り入れられることは脳の成長を促し、お子さまが持っている本来の能力を伸ばすことにつながります。
また、顎がきちんと発育することで、舌が適切な位置になり、口腔周囲筋が発達して顎関節の可動域が広がります。すると、歯並びが整い、姿勢も正しくなるのです。
マタニティー歯科
当院では、「マイナス1歳からのむし歯予防」に取り組んでおります。マイナス1歳とは、生まれたばかりの赤ちゃんが0歳であることを基に、お母さんのお腹の中にいる時の年齢を表現したものです。出産を控えている女性はご自身の体調を優先しながら、むし歯予防を行うことも忘れないでください。
妊娠中から出産後の育児に追われる数年間、お母さんのお口の中はむし歯菌が増えやすい状態になりがちです。妊娠によるつわりがある間は、どうしても食事が不規則になりやすく、また吐き気から歯みがきがおろそかになることもあります。また、出産後はお子さまのお世話が最優先となり、お母さんのお口の中のケアが不十分になってしまうこともよくあります。その結果として、むし歯菌が増えてしまいます。
そのような状態で、お母さんが使ったスプーンで赤ちゃんに離乳食を与えたり、離乳食を冷ますためにフーフーと息を吹きかけて与えたりすると、赤ちゃんにむし歯菌が移ってしまうことは明らかです。それを予防するためには、お母さんのお口の中を清潔に保つことが大切です。
むし歯がある場合は早急に治療することはもちろん、ご自宅でのセルフケアを徹底し、併せて歯科医院での歯のクリーニングも行いましょう。クリーニングをすることでご自身では落とすことができない汚れを除去し、お口の中がより清潔になります。当院では、妊娠中の女性の治療実績が豊富です。ぜひお気軽にお越しください。
婦人科との連携
当院では婦人科との連携・協力による、妊娠中の方の歯科治療を行っています。周産期には体だけでなく口腔環境も変わりますので、婦人科医の監修のもと、正確な情報を提供し、妊娠期間中の歯の健康を守るお手伝いをします。